【大相撲珍決まり手40選】番外編 反則(マゲつかみ)

相撲協会の規則で定められている「禁じ手」には、以下の8つがあります。
1.握りこぶしで殴ること。
2.頭髪を故意につかむこと。
3.目やみぞおちなどの急所を突くこと。
4.両耳を同時に両手で張ること。
5.前立揮をつかみ、また横から指を入れて引くこと。
6.喉をつかむこと。
7.胸や腹を蹴ること。
8.一指または二指を折り返すこと。
これらの行為を行うと反則負けになりますが、一番多く目にする機会が多いのは、上記2の「頭髪を故意につかむこと」になります。
※2014年10月2日におこなわれた理事会で、公認相撲規則の禁じ手反則に定められた「頭髪を故意につかむこと」という規定から「故意に」という表現を削除することが承認されました。2014年11月場所から運用開始。
2015年3月場所9日目勢がマゲをつかんだとして反則負けになりましたが、マゲには触れていないように見える微妙な一番。
千代鳳は3場所連続の反則勝ち。
2014年の5月場所では、横綱絡みで2番もマゲをつかむ取組が出て、優勝争いにも多少影響しました。
横綱が相手の反則で勝ちを拾った(鶴竜)のは史上初。横綱が反則負けを喫した(日馬富士)のは2003年7月の朝青龍以来2人目でした。
また9月場所では、日馬富士が5月場所に続いてマゲをつかんで反則負け。
「反則(マゲつかみ)」の取組(幕内・十両)
年/場所/日 | 勝 (つかまれた) | 負 (つかんだ) |
2020/09/10 | 〇北磻磨(十14) | ●剣翔(十8) |
2019/09/04 | ○阿炎(小結) | ●栃ノ心(大関) |
2019/01/04 | ○阿武咲(前6) | ●碧山(前5) |
2018/03/10 | ○豊山(前11) | ●勢(前14) |
2018/01/03 | ○東龍(十2) | ●旭大星(十1) |
2017/07/14 | ○安美錦(十4) | ●大奄美(十8) |
2017/01/10 | ○旭日松(十12) | ●北太樹(十5) |
2016/07/14 | ○石浦(十5) | ●佐藤(十6) |
2016/01/14 | ○宝富士(前2) | ●豪栄道(大関) |
2016/01/09 | ○里山(十6) | ●青狼(十1) |
2015/11/02 | ○北磻磨(十4) | ●英乃海(十3) |
2015/03/09 | ○千代鳳(前12) | ●勢(前13) |
2015/01/13 | ○千代鳳(前7) | ●豊響(前6) |
2014/11/04 | ○千代鳳(前5) | ●佐田の海(前7) |
2014/09/04 | ○嘉風 (前3) | ●日馬富士 (横綱) |
2014/05/14 | ○稀勢の里 (大関) | ●日馬富士 (横綱) |
2014/05/12 | ○鶴竜(横綱) | ●豪栄道(関脇) |
2014/01/15 | ○高安(前9) | ●里山(前16) |
2013/07/03 | ○富士東(前4) | ●勢(前5) |
2013/07/01 | ○千代大龍(前3) | ●妙義龍(関脇) |
2013/01/09 | ○富士東(前11) | ●碧山(前6) |
2013/01/07 | ○玉鷲(前12) | ●舛ノ山(前7) |
2012/11/03 | ○琴勇輝(十3) | ●千代鳳(十6) |
2012/09/12 | ○琴勇輝(十6) | ●徳真鵬(十12) |
2012/05/01 | ○徳真鵬(十11) | ●益荒海(十10) |
2012/03/07 | ○里山(十13) | ●北磻磨(十10) |
2011/11/09 | ○千代嵐(十10) | ●勢(十14) |
2011/09/09 | ○玉鷲(前10) | ●富士東(前7) |
2011/07/09 | ○益荒海(十12) | ●天鎧鵬(十10) |
2011/05/07 | ○嘉風(前7) | ●阿覧(前5) |
2010/03/12 | ○垣添(前7) | ●北勝力(前11) |
2009/11/05 | ○玉乃島(前7) | ●阿覧(前8) |
2009/11/04 | ○栃ノ心(前8) | ●豊ノ島(前5) |
2009/09/09 | ○高見盛(前7) | ●阿覧(前7) |
2009/03/14 | ○豊真将(前7) | ●翔天狼(前12) |
2008/11/02 | ○翔天狼(十9) | ●龍皇(十10) |
2008/07/15 | ○木村山(前12) | ●黒海(前10) |
2007/01/13 | ○栃乃洋(前6) | ●出島(前1) |
2006/07/10 | ○十文字(前13) | ●北勝力(前7) |
2005/11/05 | ○旭天鵬(小結) | ●垣添(前2) |
2003/11/12 | ○豪風(前11) | ●朝赤龍(前4) |
2003/11/06 | ○潮丸(十4) | ●五城楼(十1) |
2003/11/04 | ○黒海(十2) | ●五城楼(十1) |
2003/07/11 | ○寿山(下1) | ●玉ノ国(十9) |
2003/07/05 | ○旭鷲山(前2) | ●朝青龍(横綱) |
1997/11/04 | ○栃東(関脇) | ●旭豊(前2) |
1996/07/12 | ○安芸乃島 (前5) | ●肥後ノ海 (前14) |
1994/11/04 | ○鶴ノ富士 (十13) | ●大翔山 (十4) |
1992/07/06 | ○栃天晃(十11) | ●逆鉾(十5) |
1990/03/09 | ○貴花田(十3) | ●維新力(十10) |
1980/05/11 | ○北天佑(十11) | ●高鉄山(十8) |
1972/05/09 | ○魁傑(小結) | ●大麒麟(大関) |
1971/01/09 | ○金剛(前6) | ●琉王(前10) |
1957/01/11 | ○東海(十1) | ●鯉ノ勢(十6) |
1955/09/02 | ○出羽ノ花 (前20) | ●若羽黒 (前21) |
21世紀に入って急激に増えたマゲつかみの反則
反則の制度が1955年に正式に制定されて以来、幕内・十両で記録されたマゲつかみによる反則は計50番を超えますが、そのうち21世紀に入る前に記録されたのは10番だけ。ほとんどが21世紀になてって記録されたものです。
朝青龍が旭鷲山のマゲをつかんで反則負けになった一番(2003年7月場所・後述)以来、今まで見過ごされてきた事例でも故意とみて厳しく判定されるようになったのが一因ともいわれています。
珍記録! 1場所2回の反則負け
2003年11月場所西十両筆頭の五城楼は、4日目黒海戦と6日目潮丸戦の2回もマゲをつかむ反則を取られるという珍事を引き起こしてしまいました。
ついていない五城楼でしたが、足のケガで9日目から休場の憂き目に。まさに踏んだり蹴ったりの場所となってしまいました。
因縁の? 朝青龍ー旭鷲山戦
2003年7月場所には、史上初めて横綱が反則負けを喫しました。それと合わせてモンゴルの先輩後輩という関係である朝青龍、旭鷲山両者の因縁というのも大いに騒がれました。
反則のあった2003年7月場所の前場所5月場所。横綱2場所目の朝青龍に対したモンゴルの先輩旭鷲山は、立ち合いから焦らす作戦が功を奏し、出てくる朝青龍を土俵際で思い切り引き落とし、朝青龍は前にダイブ。憮然として東の二字口に戻ろうとすると、同じく戻ろうとする旭鷲山とすれ違ったときに、肩がぶつかり睨み返すというあわや一触即発の事態に。
その記憶が残っている中での朝青龍の反則負け。支度部屋に帰っても怒りが収まらなく、風呂場で出くわした旭鷲山と喧嘩が勃発しそうになりましたが魁皇が仲裁にはいり事なきを得ました。しかしまだ怒りが収まらない朝青龍は、帰り際駐車場の旭鷲山の車のヘッドミラーを壊してしまったという……。
その他の反則
・番外編 反則(不浄負け)
・番外編 反則(その他)
その他の珍決まり手
・大相撲珍決まり手40選INDEX(五十音順)
・大相撲珍決まり手一覧(出現順)
大相撲カテゴリー
・大相撲総合
・大相撲ガイド
・大相撲記録
・珍決まり手
・大相撲観戦
・大相撲イベント
・地方巡業
・予想番付
・四股名
・相撲女子
・優勝力士一覧
・三賞一覧
・関取一覧
・湘南地区出身力士星取表
\この情報をシェアしよう/
Tweet