【大相撲記録】巴戦の仕組み&優勝決定巴戦一覧

大相撲では優勝同点の力士が3人出た場合、巴戦という独自の方法で優勝者を決定します。
1人がシードになるトーナメント形式ではなく、誰かが2連勝するまで優勝は決まりません。
幕内では今までに、3人による優勝決定巴戦が6回、5人による優勝決定戦で予備戦を勝ち抜いた3人による巴戦が1回行われています。
1993年7月場所では、曙、貴ノ花、若ノ花の3人が同点で優勝決定戦になり、若貴兄弟対決なるかと期待されましたが、曙が2連勝して兄弟決戦はは持ち越しになりました。
巴戦の仕組み
A、B、Cの3人が巴戦に臨む場合。
最初にAとBが対戦。Aが勝つと、Aは次に残っていたCと対戦します。
ここでAが勝つと、Aの2連勝になるのでAが優勝します。
【パターン①】
○ A-B ●
○ A-C ●
→Aが優勝
Aが負けた場合は、次にCが1戦目で負けたBと対戦します。
CがBに勝って2連勝になると、Cの優勝が決まります。
【パターン②】
○ A-B ●
○ C-A ●
○ C-B ●
→Cが優勝
CとBの対戦でCが負けた場合、再びAが出てきてBと対戦。
BがCに勝って2連勝すると、Bの優勝です。
【パターン③】
○ A-B ●
○ C-A ●
○ B-C ●
○ B-A ●
→Bが優勝
Aが勝った場合は、またCが登場し……、と2連勝する力士が出てこない場合は延々とループすることになります。
スポンサーリンク優勝決定巴戦一覧(幕内)
太字力士が優勝。
1956年3月
12勝3敗 若ノ花(大関)、朝汐(関脇)、若羽黒(前15)
○若ノ花 | 叩き込み | ●若羽黒 |
○朝汐 | 寄り倒し | ●若ノ花 |
○朝汐 | 寄り切り | ●若羽黒 |
【パターン②】
3敗で並んでいた3力士が千秋楽に白星をあげ巴戦に。
3力士全員が初優勝をかけて臨みました。
巴戦を制した朝汐は優勝するとは思ってもいなかったので紋付きなど用意しておらず、廻し姿のままで優勝パレードしました。
2番とも立ち合いの変化だった若ノ花は、翌5月場所で平幕の大晃との優勝決定戦を制し初優勝。
1961年9月
12勝3敗 大鵬(大関)、柏戸(大関)、明武谷(前4)
○柏戸 | 寄り切り | ●明武谷 |
○大鵬 | 打っ棄り | ●柏戸 |
○大鵬 | 寄り倒し | ●明武谷 |
【パターン②】
3敗の3人が千秋楽にそろって勝ち巴戦に。
巴戦を制し2連覇となった大鵬は、場所後に柏戸とともに横綱に昇進。
大鵬が柏戸をうっちゃった一番は、大鵬と柏戸が取り上げられる番組で必ずVTRが流されます。
1965年9月
12勝3敗 佐田の山(横綱)、柏戸(横綱)、明武谷(前5)
○柏戸 | 寄り切り | ●明武谷 |
○柏戸 | 寄り切り | ●佐田の山 |
【パターン①】
柏戸と明武谷が3敗を守ったあと、3敗同士の大鵬-佐田の山に勝った佐田の山が巴戦に進出。
柏戸は涙の全勝優勝以来、3度目の優勝。
明武谷は2回優勝決定戦に進出しましたが、2回とも巴戦でした。
1990年3月
13勝2敗 北勝海(横綱)、小錦(大関)、霧島(関脇)
○小錦 | 寄り切り | ●北勝海 |
○霧島 | 寄り切り | ●小錦 |
○北勝海 | 押し出し | ●霧島 |
○北勝海 | 下手投げ | ●小錦 |
【パターン③】
2敗で並んでいた3人が、千秋楽にそろって白星をあげて巴戦に。
初めて4戦目までいった巴戦。北勝海は史上初めて巴戦の初戦に敗れながら優勝。
霧島が場所後に大関昇進。
1993年7月
13勝2敗 曙(横綱)、貴ノ花(大関)、若ノ花(関脇)
○曙 | 押し倒し | ●若ノ花 |
○曙 | 寄り倒し | ●貴ノ花 |
【パターン①】
2敗の貴ノ花が結びの一番で1敗の曙を倒し巴戦に。
若貴兄弟対決の期待が館内に高まりましたが、曙が横綱の意地をみせて連勝し兄弟対決は1995年11月場所まで持ち越し。
若ノ花は本割で小錦と大相撲を取った疲れが響いたか。
1994年3月
12勝3敗 曙(横綱)、貴ノ浪(大関)、貴闘力(前12)
○貴ノ浪 | 叩き込み | ●貴闘力 |
○曙 | 突き倒し | ●貴ノ浪 |
○曙 | 押し倒し | ●貴闘力 |
【パターン②】
貴闘力と貴ノ浪が勝って3敗を守ると、3敗同士の曙-貴ノ花を制した曙が巴戦に。
貴ノ浪と貴闘力は同部屋対決。
1996年11月
11勝4敗(5人) 曙(横綱)、若乃花(大関)、武蔵丸(大関)、貴ノ浪(大関)、魁皇(関脇)
予○武蔵丸(寄り倒し)●若乃花
予○貴ノ浪(掬い投げ)●魁皇
曙は不戦勝
○武蔵丸 | 寄り切り | ●曙 |
○武蔵丸 | 寄り切り | ●貴ノ浪 |
【パターン①】
14日目を終わり3敗の若乃花と武蔵丸を4敗の曙、貴ノ浪、魁皇が追う展開。
千秋楽、4敗の魁皇が勝ったあと、3敗の武蔵丸が貴ノ浪に、若乃花が曙に敗れて4敗で5人が並び優勝決定戦に。
予備戦で5人から3人に絞られた巴戦は武蔵丸が連勝して決着。
11勝4敗の優勝は、1972年1月の栃東(親)と2017年9月の日馬富士に並ぶ最少勝ち星の優勝です。
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