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豊山(伝統四股名の代々)-ホープ小柳が時津風部屋ゆかりの豊山に改名

2018/09/11

四股名の名付けには2通りのやり方があります。

1つは全く新しいオリジナルの四股名を考え出すこと。

もう1つは長い歴史の中で代々受け継がれている四股名を継承すること。

 

2017年5月場所で新入幕を果たした時津風部屋の小柳(おやなぎ)は、初の幕内に挑むにあたり部屋に受け継がれている「豊山」という四股名に改名しました。ホープに対する期待が表れています。

時津風部屋で「豊山」を名乗った3人の力士には「時津風部屋」「新潟県出身」「東農大出身」をいずれも満たすという共通点があります。

 

しかし、「豊山」という四股名をはじめて名乗った力士は3つの共通点とは何も関係がありませんでした。

 

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0代? 豊山 鬼吉(荒馬)

1925年9月29日生まれ。秋田県雄勝郡羽後町出身。

1946年11月場所初土俵。荒馬の四股名で相撲を取り1950年5月場所に豊山と改名。

1953年3月に1場所だけ幕内の土俵に上がりました(成績は5勝10敗)。最高位は前頭17枚目。

1953年9月に四股名を荒馬に戻し、幕下に陥落していた1954年9月場所後に廃業(引退)。会社員をしていましたが1969年に北海道釧路市の市議会議員に当選。1977年から4年間市議会議長を務めました。

部屋は時津風部屋ではなく、伊勢ノ海部屋の所属でした。

豊山鬼吉(荒馬鬼吉)|相撲レファレンス

 

そして次から時津風部屋に代々伝わる豊山が登場します。

初代 豊山 勝男(内田)

1937年8月18日生まれ。新潟県新発田市出身。本名・内田勝男。

高校時代は巨人軍からスカウトが来るほどの野球の腕前。家庭の事情と恩師の薦めで東京農業大学に進学し4年時に学生横綱に。

1961年3月場所に当時としては珍しい大学相撲出身として時津風部屋から初土俵。幕下10枚目格付出しという破格の待遇でのデビューでした。

十両で全勝優勝するなどして1962年1月場所新入幕。内田から豊山に改名。

その後も番付を駆け上がり、1963年1月場所後には大関に昇進。横綱大鵬・柏戸と共に覇を争っていく存在になるのではと大いに期待されました。

しかし大関として6年弱34場所を務めたものの1回も優勝できず横綱にもなれませんでした。1963年9月場所など千秋楽に全勝対決した大鵬柏戸の2人に敗れただけの13勝2敗の星を残すなど決して弱かったわけではありません。

しかし肝心なときに力が出ず、大事な終盤で星を落とししまい、1964年7月場所は富士錦に、1968年3月場所は若浪に、1差で優勝をさらわれてしまいました。

周囲からの期待は大きいのにあと一歩の所で優勝できない。最近でいえば、初優勝する前までの稀勢の里と似たような思いをファンは持っていたんじゃないでしょうか。

1968年9月場所後に現役を引退。元横綱双葉山の時津風親方が死去したあと、1人置いて時津風部屋を継承。多数の関取を育てました。

1998年には日本相撲協会の理事長に就任。理事長就任後はじめて臨んだ1998年3月場所初日の優勝盃返還式で前場所優勝の武蔵丸から賜盃を受け取る任を果たし、ついに初土俵から37年にして豊山の手に優勝賜盃が渡ったのです。( ;∀;)イイハナシダナー

豊山勝男|相撲レファレンス

 

2代 豊山 広光(長浜)

1947年10月22日生まれ。新潟県新発田市出身。本名・長濱廣光。

新発田農で高校横綱となり東京農業大学に進学。学生時代から日大の輪島と東農大の長濱のライバル関係が注目されていて、輪島より1場所遅れて1945年3月場所幕下付出しで時津風部屋から初土俵を踏みました。

幕下を3場所で通過して十両に。先に十両に上がっていた輪島との取組で懸賞金がついたこともありました(1970年11月場所8日目)。

1972年7月場所前頭筆頭のとき、長浜から豊山に改名。翌9月場所で新小結。以後、計4場所小結を務めますがこれが最高位。

横綱輪島には幕内対戦成績8勝12敗と健闘しましたが(金星4つ獲得)、横綱北の湖には幕内対戦成績0勝21敗と1度も勝てませんでした(十両を含めた通算成績は2勝23敗)。

1981年9月場所を最後に引退し年寄・湊を襲名。湊部屋を興し、湊富士を幕内まで育てました。

1998年1月場所10日目、湊富士が横綱貴乃花にかいなひねりで勝ったときに、勝負審判で土俵下にいた湊親方の「まさか。弟子が横綱に勝つなんて信じられない……」といった顔つきが印象的でした。

期待の逸ノ城は湊富士の弟子なので、孫弟子にあたります。

豊山広光|相撲レファレンス

 

3代 豊山 亮太(小柳)

1993年9月22日生まれ。新潟市北区(旧・豊栄市)出身。本名・小柳亮太。

先々代・先代の豊山と同じ東京農業大学出身。大学4年のとき全日本相撲選手権でベスト8に入ったことにより、2016年3月場所に高砂部屋の石橋(朝乃山)と共に三段目付出しで時津風部屋から初土俵。

三段目付出し制度は2015年5月に創設されたばかりで、石橋とともに三段目付出し適用第1号となりました。

デビュー場所を7戦全勝で飾り、三段目1場所、幕下3場所、十両3場所で通過して2017年5月場所新入幕。小柳(おやなぎ)から部屋伝統の豊山に改名しました。

将来の活躍が楽しみなホープ力士です。

豊山亮太|相撲レファレンス

 

 

「伝統的四股名の代々」シリーズとして、今後も若乃花、朝潮、小錦、高見山、逆鉾、柏戸など、角界に何代も継承され続けている四股名について取り上げる予定です。

 

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