【プロ野球記録】初回先頭打者に打たれた1安打のみで完封勝利
2017年4月21日に西武ドームでおこなわれた西武ライオンズvs日本ハムファイターズの試合で、西武の菊池雄星投手が初回先頭打者にヒットを1本許したのみの完封勝利をあげました。
[4/21 結果] L9-0F#秋山翔吾 選手が先頭打者弾含む2本のホームラン!先発の #菊池雄星 投手は最後まで投げ抜き被安打1、奪三振12、そして無失点!2013年6月12日以来の完封勝利を挙げた!!#埼玉西武ライオンズ #seibulions #NPB pic.twitter.com/ayO60KIwUD
— 埼玉西武ライオンズ (@lions_official) April 21, 2017
菊池投手は1回表に先頭の西川遥輝選手にヒットを打たれたものの、その後は日本ハム打線を抑え込み、4回と7回に近藤健介選手に四球を与えたのみの12奪三振で1安打完封勝利。
初回先頭打者に1本安打を打たれたのみの完封勝利は史上12人目の快挙となりました。
初回先頭打者に打たれただけの1安打完封勝利
年月日 | 投手 | 先頭打者 |
1946年07月22日 | 諏訪裕良(巨人) | 中村信一(ゴー) |
1956年06月06日 | 小山正明(阪神) | 沖山光利(大洋) |
1959年04月26日 | 堀内庄(巨人) | 町田行彦(国鉄) |
1960年09月15日 | 金田正一(国鉄) | 近藤昭仁(大洋) |
1968年09月22日 | 皆川睦男(南海) | 大下剛史(東映) |
1971年08月29日 | 藤本和宏(広島) | 東条文博(ヤク) |
1972年07月04日 | 外木場義郎(広島) | 島谷金二(中日) |
1972年08月19日 | 野崎恒男(南海) | 福本豊(阪急) |
1981年04月11日 | 定岡正二(巨人) | 北村照文(阪神) |
1991年04月27日 | 宮本和知(巨人) | 宮里太(大洋) |
1998年04月03日 | 川村丈夫(横浜) | 和田豊(阪神) |
2017年04月21日 | 菊池雄星(西武) | 西川遥輝(ハム) |
※球団表記 ゴー=ゴールドスター ヤク=ヤクルト ハム=日本ハム
太字の小山正明と定岡正二は、先頭打者にヒットを打たれたあとの27人を1人も塁に出さなかった準完全試合。
小山正明は東京オリオンズに移籍したあとに1965年7月15日の阪急戦で9回2死から初安打を打たれノーヒットノーランを逃したこともあり、「最初にヒットを打たれていなければ……」と「あと1人抑えれていれば……」の両方を体験したことになります。
1971年の藤本和宏は10日前の8月19日にも中日戦でノーヒットノーランを達成しており、通算勝利10勝のすべてをこの年に稼ぎだしました。さらに最優秀防御率(1.71)のタイトルも獲得。1年だけの謎の大ブレイクでした。
1998年の川村丈夫は開幕戦で達成。前年7年ぶりのAクラスとなり勢いづくチームをさらに加速させ38年ぶりのリーグ優勝・日本一へと向かっていきました。
初回先頭打者に打たれたのみだが完封ならず
年月日 | 投手 | 先頭打者 |
1943年08月14日 | 石田光彦(大和) | 上田藤夫(阪急) |
1957年07月06日 | 稲尾和久(西鉄) | バルボン(阪急) |
1971年08月10日 | 江夏豊(阪神) | 水谷実雄(広島) |
1976年07月03日 | 古賀正明(太平洋) | 福本豊(阪急) |
1943年の石田光彦は、先頭の上田藤夫に二塁打を打たれたあと、四球・一ゴロで1死一・三塁になり、四番三木久一のセンターライナーで三塁走者上田がタッチアップからホームイン。1点を失ったため完封にはなりませんでした。
1957年の稲尾和久は、先頭のバルボンに打たれたあとの27人を完璧に抑え込む準完全試合。ただしバルボンに打たれたのがホームランだったため1点を失い完封とはならず。
初回先頭打者の1安打のみに抑えたのに敗戦投手
年月日 | 投手 | 先頭打者 |
1975年05月05日 | 村田兆治(ロッテ) | 島野育夫(南海) |
1989年08月31日 | 河野博文(ハム) | 西村徳文(ロッテ) |
1975年の村田兆治は先頭打者にヒットを打たれたあと、2死一・三塁のピンチから自らの暴投で1点を失ってしまい、その後味方の援護なく0-1で敗戦の憂き目に。
1989年の河野博文は8回に西村を四球で出して二塁に進まれたあと、次打者の一塁ゴロで一塁にカバーに入る際に球を逸らしている間に1点を失い、0-1で敗戦投手になってしまいました。
(記事中選手名敬称略)
【参考サイト】
【参考文献】
プロ野球データブック《最新版》(宇佐美徹也、講談社文庫、1995)
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