【大相撲記録】横綱と平幕が14日目に対戦
2020/03/23

2017年1月場所14日目、前頭10枚目の貴ノ岩が初挑戦の横綱白鵬を破りました。
この瞬間、取組を勝って終え支度部屋で控えていた稀勢の里の初優勝が決まりました。
14日目といえばもう場所の終盤も終盤。通常ならば横綱は横綱もしくは大関と対戦があるものですが、大関豪栄道が14日目から休場したこともあり横綱と好調な平幕との対戦が組まれたのです。
横綱と平幕が14日目に対戦するだけでも珍しいのに、さらに平幕が勝つともなるとレア中のレアケース。
横綱と平幕の対戦が14日目に組まれたのは39回。そのうち実際に相撲を取って平幕が横綱を破ったのはわずか6回だけです。(この他に不戦勝が2回)
1984年9月場所に、前場所に入幕したばかりで黒船来襲と恐れられた小錦が千代の富士を破って以来でした。
スポンサーリンク14日目の横綱と平幕の対戦
場所 | 横綱 | 平幕 | ||
1940年05月 | 男女ノ川 | ○ | ● | 東前14 巴潟 |
1944年01月 | 双葉山 | ○ | ● | 東前2 豊嶋 |
1949年10月 | 東富士 | ○ | ● | 西前5 若瀬川 |
1952年09月 | 東富士 | ○ | ● | 東前1 清水川 |
1955年03月 | 栃錦 | ○ | ● | 東前8 安念山 |
1956年09月 | 吉葉山 | ○ | ● | 西前4 安念山 |
1957年05月 | 栃錦 | ○ | ● | 東前6 三根山 |
1957年09月 | 鏡里 | ○ | ● | 西前7 荒岩 |
1958年09月 | 若乃花 | ○ | ● | 西前6 大内山 |
1960年03月 | 栃錦 | ○ | ● | 西前5 房錦 |
1962年03月 | 柏戸 | ○ | ● | 東前4 羽黒花 |
1964年05月 | 大鵬 | ○ | ● | 東前4 沢光 |
1967年11月 | 佐田の山 | ○ | ● | 西前4 陸奥嵐 |
1971年05月 | 北の富士 | ○ | ● | 西前1 陸奥嵐 |
1971年09月 | 玉の海 | ○ | ● | 東前8 栃東 |
1972年01月 | 北の富士 | ■ | □ | 東前2 錦洋 |
1973年03月 | 琴桜 | ○ | ● | 東前9 金剛 |
1973年07月 | 輪島 | ○ | ● | 西前4 富士桜 |
1973年09月 | 琴桜 | ● | ○ | 西前11 大錦 |
1973年11月 | 輪島 | ■ | □ | 西前5 黒姫山 |
1974年09月 | 北の湖 | ● | ○ | 西前9 龍虎 |
1975年01月 | 輪島 | ● | ○ | 西前6 三重ノ海 |
1975年05月 | 北の湖 | ○ | ● | 東前8 大峩 |
1976年03月 | 輪島 | ○ | ● | 西前10 金剛 |
1977年01月 | 輪島 | ○ | ● | 西前9 北瀬海 |
1978年03月 | 北の湖 | ○ | ● | 東前1 豊山 |
1979年09月 | 若乃花 | ○ | ● | 東前10 千代の富士 |
1980年03月 | 若乃花 | ○ | ● | 東前7 玉ノ富士 |
1981年09月 | 若乃花 | ○ | ● | 西前8 播竜山 |
1982年05月 | 千代の富士 | ○ | ● | 東前7 北天佑 |
1984年09月 | 千代の富士 | ● | ○ | 西前6 小錦 |
1998年01月 | 曙 | ○ | ● | 東前5 小城錦 |
1998年11月 | 貴乃花 | ○ | ● | 東前9 土佐ノ海 |
2000年03月 | 曙 | ○ | ● | 東前14 貴闘力 |
2007年07月 | 朝青龍 | ○ | ● | 東前6 豊真将 |
2007年09月 | 白鵬 | ○ | ● | 西前14 豪栄道 |
2014年09月 | 白鵬 | ○ | ● | 東前10 逸ノ城 |
2017年01月 | 白鵬 | ● | ○ | 東前10 貴ノ岩 |
2017年11月 | 白鵬 | ○ | ● | 東前9 遠藤 |
2019年07月 | 白鵬 | ● | ○ | 東前5 琴奨菊 |
2020年03月 | 白鵬 | ○ | ● | 西前13 碧山 |
初めての対戦は男女ノ川vs巴潟
横綱と平幕が14日目に対戦した初めての例は1940年5月場所の男女ノ川vs巴潟。
前頭14枚目ながら横綱戦に抜擢された巴潟の13日目までの成績は3勝10敗と好成績ではありませんでした。
これは当時総当たり制ではなく東西制形式だったのと、男女ノ川と対戦するはずの横綱双葉山、大関羽黒山、小結玉ノ海が相次いで休場して対戦相手の地位がどんどん下がってきたからです。(この場所13日目には前頭15枚目の二瀬川とも対戦)
結局、巴潟は3勝12敗と大敗。この場所千秋楽限りで引退ということになりました。最高位関脇以下の力士で、現役最後の相撲の1番前の相撲が横綱戦というのもなかなかないケースでは。
新入幕が横綱を撃破
14日目の横綱平幕戦で初めて横綱に勝ったのは1973年9月場所の大錦。
この場所新入幕の大錦は12日目まで9勝3敗の好成績。13日目に大関貴ノ花を破り、続く14日目に横綱琴桜を寄り切りに破りました。
千秋楽は大関清国に負けて11勝4敗となったものの、新入幕で大関横綱に勝った活躍が評価されて殊勲敢闘技能の三賞すべてを独占しました。
現役最後の勝利が14日目の平幕戦
上記の表の中で14日目の平幕戦が現役最後の白星となった横綱が2人。
1人目は栃錦。1960年3月場所、前頭5枚目の房錦を突き落としに破り初日から土つかずの14連勝。翌千秋楽は同じく14連勝の若乃花と史上初の14戦全勝同士の決戦となり敗れて準優勝に終わりました。
翌5月場所、初日から2連敗した栃錦は劇的な引退。
2人目は玉の海。1971年9月場所、前頭8枚目の栃東を吊り出しに破り12勝目。千秋楽は全勝の北の富士に負けて12勝3敗に終わりました。
場所後の10月11日に虫垂炎手術後に急死するという悲劇にみまわれました。
横綱としてハイレベルな成績で安定しており「双葉山の再来」とも言われ始めていただけに惜しまれました。
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